天然痘の症状について

天然痘は、アジアやアフリカの農村で、紀元前1万年以上前に発生した感染症です。20世紀の100年間で、2~3億人が死亡しました。感染者とワクチン未接種者が接触しないようにする根絶計画が実施され、その後患者は確認されていません。
天然痘の原因は、痘瘡ウイルスです。痘瘡ウイルスは、ボックスウイルス科で、ウイルスの中でも有数の大きさを誇り、DNAを核酸としてもっています。人から人へしか感染しないウイルスです。唾液や気道内分泌物などからの飛沫感染や、天然痘患者との接触、近距離でエアロゾルによる気道感染などが感染経路です。
天然痘は感染後7~16日の潜伏期間があり、急激な発熱から症状が始まり、前駆期と発疹期に分かれます。
前駆期は、39度前後の発熱や頭痛、四肢痛から始まり、2~3日後には、40度以上まで体温が上がり、小児の場合は、意識障害や嘔吐する場合もあります。発熱から3~4日後には、いったん熱は下がり、発疹期へと移行します。
発疹期は
1紅斑
2丘疹
3水疱
4膿疱
5結痂
6落屑
の順番に移行します。顔面や頭部に現れることの多い発疹ですが、全身に現れる場合もあります。水痘と異なり、水疱に臍窩があるのが大きな特徴です。呼吸器や消化器にも病変が現れ、呼吸困難や呼吸不全を引き起こすこともあります。